腕に針を刺して体内の血糖値を常時記録する「フリースタイルリブレ」で糖質と血糖値の関係を徹底的に調査した

腕にセンサー付きの針をぶっさしてスマホで体内の血糖値をモニタリングできるデバイスを使って、食事と血糖値の関係を調査してみました。

目的は、ダイエットと健康のために食事と血糖値の関係を正しく知り、血糖値をコントロールできるようになること。

特に血糖値が急激に上がる「血糖値スパイク」というのを恐れてます。血糖値スパイクはその名の通り血糖値が急激に上がり血管にダメージを与えるもの(らしい)。血管を大切にしたいのでどうしたら血糖値スパイクを避けられるのか知りたい!

フリースタイルリブレとは

極細の針がついたセンサーを腕につけっぱなしにして2週間常時体内の血糖値を計測できるというもの。2週間たったら新しいものに取り換えが必要。(電池交換式等ではなく、2週間の使い捨てです。)

腕に針をさすと言っても、刺す瞬間ちょっと痛いくらいで日常生活は何ら支障ありません。針もめっちゃ細くて下の写真のようにアプリケーターを使って腕に貼り付けます(接着面は強力なシール)。お風呂もOK。サウナも控えめであれば大丈夫でした。(怖くて10分以上は入ってないけど)

腕に取り付けるとこんな感じに。このセンサーに、NFCのついたスマホをかざせばいつでもスマホアプリでデータが確認できます。身体の一部にスマホかざしてデータ取得とかめっちゃ未来っぽい!!萌!

糖質と血糖値の関係性を知るために調査したこと

食品別単体調査

まず手始めに、どの食べ物をどれくらい食べるとどれくらい血糖値があがるのかの調査。それぞれの量と糖質の含有量はこんな感じです。大体ちょっと少なめの1食分です。

・白米120g →  糖質約40g
・玄米120g → 糖質約40g
・そば75g → 糖質約43.5g
・パスタ80g → 糖質約56g
・じゃがいも200g → 糖質約32g

以下出てくるグラフはX軸時間、Y軸はグルコース値です。フリースタイルリブレでは血糖値を直接測っているのではなく、血糖値と連動して上下するグルコース値を計測しています。文中ではグルコース値を血糖値と言い換えて記載してます。

白米120gと玄米120gの違い

それぞれ白米120gと玄米120gだけを別日の同時刻に食べて比較

白米120gと玄米120gは含有する糖質量はあまり変わらないけど、食後の血糖値上昇MAX値に差があります。あと「急上昇」しているのは白米の方ですね。

そば75g

そば75gには白米や玄米よりも糖質が含まれているはずなのですが、血糖値上昇のMAX値はかなり低い感じがします。※めんつゆ分も影響もあると思います。

パスタ80g

普通のパスタ80gは今回比較した中では一番糖質が多いはずですが、白米120gよりも抑えられている。

じゃがいも200g

ででででで〜これは血糖値スパイク!じゃがいも単体200gをそのまま茹でて食べたら血糖値が爆上がりしました。上がり方もめちゃくちゃ急激!

単体テストまとめ

  • 糖質の量ではなく、糖質の「種類」によって上がり方が変わる(マックス値も角度も)ので、糖質の量だけを見て血糖値上昇をコントロールできない!
  • 白米やじゃがいものように「純粋な糖類」は単位あたり糖質に対して血糖値上がりがち。逆にパスタやそばのように加工されていて糖類以外も混じっているものは同じ糖質量でも血糖値が上がりづらい。玄米も糖質以外の成分が多いので然り。

純粋な糖類の破壊力やべえ!!!

単体テストの補足(摂取量と血糖値上昇の関係)

同じ種類の糖質であれば当然糖質の量によって上昇値は変わる。白米120と60だとこんな感じです。

1回に摂取する量を少なくするのは大切。同じ量でも少しずつ2時間ごとに食べれば血糖値スパイクは避けられそうです。

食べ合わせによる血糖値の上昇変化について

今回の検証で、こんなにも明確に結果が出るんだ!って衝撃だったことがこれ。

朝:セブンイレブンのツナおにぎりを1個食べた
昼:セブンイレブンのツナおにぎり1個と他おかずを食べた

摂取糖質量は同じか昼のほうが多い(豚汁に入ってる人参とかもあるので)のに、血糖値マックス値が低い!

つまり、血糖値の上がるものと血糖値が上がらないものを一緒に食べると血糖値の上昇をかなり抑えることができる!

同様に、じゃがいも単体200gを食べた時とじゃがいも200gにほか食材も合わせて調理したものだと

全体量は圧倒的に多いのに、ほか食材と一緒に食べたほうが血糖値の上昇が抑えられている!

糖質を取る場合はその糖質量を打ち消せるくらいたくさんの他食材をとればいい!!ということなんですね。(あくまで血糖値の話で、量をたくさん食べることによる弊害は別)

追記:食べる時間と血糖値上昇の関係について

このブログ公開後に「食べる時間によって血糖値の上がり方違うよ」っていう指摘があったので追加で調べました。

朝イチでベンチマークおにぎり(セブンのツナマヨ)1個を食べて想定どおりの数値が出ることを確認し、昼はおかずだけのお弁当。その後18時くらいに会社のデスクでベンチマークおにぎりを食べた。

確かに、夕方のおにぎりの血糖値上昇がゆるい。ただ、もしかしたら昼に食べているおかずが血糖値上昇防御マンとしてまだ効果を発揮してる可能性あるなと思い、別日に行った実験

同様にお昼におかずだけ弁当を食べ、20時くらいにベンチマークおにぎりを食べたところ朝と同じような上昇をしました。なので時間が関係しているというよりは、お腹の中に「血糖値上昇防御マン」がどれくらいいるかが影響している感じです。

念の為、おにぎりとおかず検証も別日の同時刻に試しましたが同じような結果になりました。

食べる順番と血糖値の上昇の関係

これもサキベジという言葉で知識としては知っていたつもりだったけどこんなにもインパクトがあるのか!!と驚愕しました。同じおにぎりとおかずを、おにぎりを食べる順番を変えた場合の比較。

おにぎりを最初に食べちゃったら「血糖値上昇防御マン」が全然機能しないよ!!!!(数分の時間差でこんなに差が出るなんて・・・)。とにかく糖質は後回しにすべし。

これの効果でコース料理で最後の方にパスタやデザートを食べても血糖値上昇が起きてなかったのだな・・・

血糖値の上昇防御は野菜前提なのか?

ここまでの実験で血糖値上昇を防ぐおかずとして、適当にコンビニで選んだものだったけど、この中の野菜が機能しているのだろうか?の検証。

これ、どちらもおにぎりを最後に食べました。野菜の量としては「おにぎり、キャベツ、ゆで卵」のほうが多いと思うのだけど、血糖値の上昇は「おにぎり、コールスロー、サラダチキン、豚汁」が抑えられてる。チキン・・・?

仮説を元に答え合わせ

ここまで情報が集まればあとは

  1. 単体でどれくらい上がるのか把握しておき
  2. 血糖値上昇を抑える食べ方をする(糖質量に応じて打ち消し食材を一緒に食べる&糖質を後回しにする)

をしていけば糖質をとっても血糖値が上昇しすぎない!血糖値を意識するならおにぎり1個だけ食べるのはだめ!おにぎり食べるなら他に打ち消し食材を食べることが必要!!

概要が把握できたので、これを実証するためにいろんな食べ方、いろんな食材を試しました。その結果をひたすら共有しますw。

お酒と血糖値の関係

お酒を単体調査するのってかなりむずい。空腹時に該当のお酒だけを規定量飲んで2時間何も食べずにモニタリングする必要があるから、休日の午後とかにビール1本飲んで2時間モニタリングする、みたいなことをやらないといけない。

なかなかこのチャンスがなくまだデータ不足ですが、お酒についても「打ち消しの法則」が言えて、お酒だけだと血糖値は上がるが、打ち消し食材を一緒に摂取してれば上がらない、が成り立つようです。

ex1.焼き鳥とビール

全然上がらないじゃん〜〜〜!

思ったより血糖値が上がらなかった無罪組

血糖値上がるかもな〜と思いながら試したけど意外とあがらなかったものたち。

カフェラテ
恐る恐る食べたルタオのチーズケーキ
ジャンクといえばファミチキ
散歩中に買った朝ごはんのクロックムッシュ

めちゃくちゃ血糖値上がったもの

案の定ではあるんですが、目を疑ったもの。170超えです。

マックのポテナゲセット

マックがというより、じゃがいもをほぼ単体で食べるとこうなるという事例ですね・・・。バーガーと食べ合わせたときにどうなるのかは追加検証したい。

後日ハンバーガーとのセットで検証して、ポテト単体と比較したところ

ダブチーが多少の上昇防御マンになったようです。

追記:血糖値上昇と運動の関係について

追加の検証で確認しました。食後に運動すると血糖値が抑えられるという説。ベンチマークおにぎり1個を食べてすぐに30分散歩したところ

めっちゃ抑えられてるじゃん!!!おにぎり半分にしたのと同じくらいの血糖値の上昇。どうしても食べ合わせができなかったり糖質後回しができなかったら食後に運動してリカバリできる!

まとめ

今回の調査で「なんとなく感じていたこと」が具体的に数値とともに可視化されたことでより理解が深まったし、納得感が得られた。

具体的には、私じゃがいもは「野菜」としてカテゴライズして認識してたんだけど(好きだから正常性バイアスもあってw)、あいつは純粋な糖類だ!居酒屋で最初にポテサラ頼んじゃだめ!!とか、バランスよくいろんな食材を食べることが血糖値スパイクを抑えることにつながる!ということをちゃんと理解した。

人によって上がる食材が違うとかもあるっぽく、あくまで素人調査(しかもサンプル1)なので、その辺はご了承いただければと。ただ、バランスよく食べるの大事!ってことはみんなに言えると思います!

実験によりかかった費用:30,000円くらい
調査により増えた体重:4.5kg
得られた知見:プライスレス

そういえば5年前に白米の代替になるものは何かないのか!!と、カリフラワー米とブロッコリー米を試した時がありましたが、それよりも「食べ合わせ」ですね・・。

これからもっと知りたいこと

大体の食事は見ただけで血糖値を算出できるスキルを得たw。で、ここから更に踏み込んで知りたいことは

  • 私という個体において、どれくらいの血糖値までにおさえておけば、グリコーゲンが活動に消費されて、脂肪として溜め込まれずにすむのか(こっちの可視化もしたい)
  • 筋肉量によって、血糖値の上がり方が違うのか、それとも上がり方は同じでその後筋肉が消費してくれるから脂肪にならずにすむのか
  • 糖尿病でない人が血管を傷つける血糖値スパイクはどこから?
  • 食後の散歩の効果
  • ホルモンと血糖値の関係(生理中に全体的に血糖値が低い感じがした・・)
  • 同じものを食べたときに人間の個体差はどれくらいあるのか

これが分かれば、血糖値マックス値を◯◯にコントロールする方法とかは自分で編み出せる気がする。そしてコントロールしながらお寿司を食べたい!!!罪悪感なくお寿司が食べたいです!!

個体差を知るには他の被験者が必要なのでw,やってるよ!って方いたらぜひ情報交換お願いします!

私は計測する以外にも本も何冊か読み、実際に「答え合わせができたな〜」と思いました。血糖値系のアフィリンク貼っとくので、踏んでいただければ私の今後の研究費用にあてますw

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他にもこんな実験とか検証とかやってますw