通販サイトを運営するEC事業者(ショップ)がAmazonPayを導入する本当のメリット

本業でECに携わっているのでEC周りの知見がかなり貯まりました。セミナーとかにも呼ばれることも増えてきたので、ちょいちょい情報をまとめていこうかなと思ってます。

私が運営に携わっているショップは、Makeshop、Stores、BASE、Shopifyを使っていて、そのうちMakeshop、Stores、ShopifyでAmazonPayを導入しています。

AmazonPay導入のメリット

AmazonPayの公式では以下のようなメリットを掲げているのですが、実際店舗運営していると気づくもっとクリティカルなメリットがあるんですよね。

AmazonPay利用のメリット

1.確実に届く住所が入力される

AmazonPayで支払う人のほとんどはすでに何かしらAmazonで商品を注文し受け取ったことがある人。なのでAmazonに登録されている住所は確実に荷物を配達できる住所である。ということ。

実際にECをやってると気づくのが「住所不備による荷物の持ち戻りリスク」です。直接サイトのフォームに入力させると0.5%くらいの割合で住所が間違っていたりして荷物が倉庫に持ち戻りになってしまいます。再送料金はほとんどのショップはショップ負担になっているのでなかなか無駄なコストです。。

ゆうパケットで配送できるような小物ならいいのですが、送料1,000円くらいかかるような大きさのものだとまあまあキツい。。

2.AmazonPay管理画面からキャンセル返金ができる期間が長い

ASPを使っているショップだとお客さんからのキャンセル希望にたいして各ASPの管理画面から「キャンセル&返金」をします。該当の注文を管理画面から「キャンセル」ってやるだけでお客さんに返金されるので便利なんですが、注文後キャンセルできる期間が結構短いです。

ex.こちらはStoresの管理画面からのキャンセル可能期間

Stores管理画面からのキャセル可能期間

この期限を過ぎてお客さんから「キャンセルしたい」と連絡があると、ASP管理画面から返金できないので銀行振込で返金しないといけないのです。なのでお客さんに返金先の口座をヒアリングし、振込手数料をいただいたり負担したりして返金する必要があります。

翌月後払いとかだとキャンセル期限が注文月の末日までなので10/30に注文したら翌日までしかキャンセル猶予がない!ので銀行振込返金のリスクが高まります。

で、AmazonPayはこの表では(つまりASP管理画面からの返金)注文月翌月20日までとなってるのですが、直接AmazonPayの管理画面にログインして該当注文をキャンセルすることができます!しかも期限なく過去永遠にさかのぼって!(cf.http://amazonpay-integration.amazon.co.jp/amazonpay-faq/detail.html?id=FAQ-205

返金の手間リスクは「キャンセル」だけではない・・!

ここまで読んで、「うちの店はそんなにキャンセルはでない」「そもそもキャンセルは受け付けていない」というお店もあるかもしれませんが返金はキャンセル以外にも発生します。

商品を配達にいったけど長期不在や住所不備で持ち戻った場合、商品をお渡しできていないので私が運営しているショップでは「商品代返金」の対象になります。

お客さんに再送するかどうかを連絡してヒアリングしますが、メールも電話もつながらない場合はキャンセル扱いとし商品代を返金します。

この時に上述のキャンセル期間を過ぎていると、、、口座をヒアリングしないといけないのですがそもそもメールも電話もつながらないと何もできないんですよね・・・。商品は受け渡しできていないのにお金だけが徴収している状態。となるといつお客さんから「お金払ってるから再送してください」と言われるかわからないので、その商品を取り置きして置かなければいけない。まあ、この辺は規約にきっちり書いておけば回避はできるのですが。。

こういうCSの細かい手間が減らせるのもAmazonPayの一つのメリットだと思います。

AmazonPay導入のデメリット(というかハードル)

1.Sellercentralへの登録や申請

個人が手軽にECを始められる系のStoresやBASEはクレジットカードやその他決済をそれぞれの管理画面を介して申請できるのでとても簡単です。ただ、AmazonPayだけは自分で直接AmazonPayに申請しないといけない。

で、AmazonPayの申請手続きや管理画面や設定がITリテラシー低いとなかなかハードルが高いw

インテグレーション、アクセスキー、シークレットアクセスキー、クライアントID、クライアントシークレット・・・。この単語の羅列見ただけで諦める人いそうw

この面倒があってこそのメリット2の個別キャンセル可能につながるわけではあるのだけど。

2.手数料がちょい高い

AmazonPayの決済手数料は4%。Storesだとほか決済が一律3.6%なのでそんなに違わないっちゃ違わないんだけど売上ボリュームが増えてくるとじわじわくると思いますが、それを凌駕するメリットはあると思います。

AmazonPayはCVRアップに有効か?

AmazonPayのメリットとして語られることが多いCVRアップ。これはユーザー体験としても実感としてもあまり感じづらいところではありますw.

  • 普段PCでAmazon使っている人の購入は楽なので(アイパスをブラウザが記憶してるから)CVRは良さそう
  • スマホのAmazonアプリをメインで使ってるとAmazonのログインIDとパスワードを記憶してなくてむしろ使えなそう(AmazonPayはAmazonのログインIDとパスワードが必要)
  • Amazonで売ってるものならそもそもAmazonで買う
  • AmazonPayが使えないからといって購入自体をやめるかと言うと、、ちょっと考えづらい気が・・
    特に最近はブラウザが決済情報とか住所とかをさくっと自動入力してくれるようになってるし。
  • 入力フォームがあまりにレガシーで入力がめっちゃ面倒そうだと「ちょっと後にしよう」ってなって忘れてCVロスってことはありそう

なので、CVRアップにそこまで期待せず最初に書いたメリットを感じられそうなら導入することをおすすめします。

利用ユーザ側にたったメリット・デメリットはまた今度。